臨床研修プログラム

卒後臨床研修について


  九州大学病院を基幹型臨床研修病院とする臨床研修病院群での臨床研修プログラムは、平成16年4月から施行された新医師臨床研修制度に基づいて作成されました。
 2年間の研修を通じ、臨床医として必要なプライマリ・ケアの基本的な診療知識・技術の習得だけでなく、医師として求められる人格をも形成するシステムとなっています。 
 

研修プログラムの特徴について


1.大学病院と協力型臨床研修病院(市中病院)との特色を生かした研修
 九大病院と協力病院のプログラムでは、2年の研修期間中、1年ごとに本院と協力病院とで研修を行います。
 これにより、大学病院での「深く考える研修」と、市中病院での「頻度の高い疾患を多く体験する研修」の両立を可能にしています。
 九大病院総合プログラム、九大病院産婦人科・小児科・小児外科プログラムでは、2年間、九州大学病院で研修(※)し、より高度な「深く考える研修」を行います。
※ 地域医療研修等を除きます。

2.自由度の高い研修を保障
 本院での1年目の研修は、到達目標に応じて、研修医自身が選んだ診療科で研修することが可能です。
 また、2年目の選択科の研修では、研修医の希望する診療科で研修できます。

3.多彩な研修プラン
 研修医の将来の希望や環境にマッチするよう、選択性の高い研修コースを設けています。

4.研修終了後の専門領域の場を保障
 研修プログラムの終了後も、さらなる専門領域での研修の場を保障します。
 本院はもとより、多くの研修協力病院と提携して、医師としてより専門的に研修する場、活躍する場を提供します。

5.充実した臨床研修施設
 本プログラムの研修施設は、本院と研修協力病院、地域医療機関などが一体となった臨床研修病院群で構成されています。

6.臨床教育研修センター
 本プログラムの管理・運営は、臨床教育研修センターが、研修医の希望を考慮して行います。
 

研修プログラム


1.研修内容について 
 当研修プログラムでは、厚生労働省が示した新医師臨床研修制度の「臨床研修の到達目標」に準拠した研修を実施します。
 いずれのプログラム(ローテーション)を選択しても、その到達目標が達成できるように、臨床教育研修センターが支援や定期的な評価を行います。
 研修施設は、選択コースにより、本院または研修協力病院となります。

【2年間の研修内容】
科 目 研修期間 研修内容
内科
(必修)
6ヶ月  本院では、次の8診療科から、3科を選択し、6ヶ月間研修します。
  ・総合診療科
  ・第一内科(血液・腫瘍・心血管内科、免疫・膠原病・感染症内科)
  ・第二内科(消化管内科、腎・高血圧・脳血管内科)
  ・第三内科(内分泌代謝・糖尿病内科、肝臓・膵臓・胆道内科)
  ・心療内科
  ・脳神経内科
  ・循環器内科
  ・呼吸器科
 研修協力病院での研修は、頻度の高い疾患を中心とした症例を、数多く経験することを主な目的としています。  
救急
(必修)
3ヶ月  1年目を九大病院で研修するプログラムでは、九大病院の救命救急センターで研修します。
 1年目を協力病院で研修するプログラムでは、協力病院で3ヶ月間研修します。
必修科 1ヶ月×4   外科系(※)、小児科、産婦人科及び精神科を、それぞれ1ヶ月間研修します。
※ 外科系とは、次の4診療科のことをいいます。
  ・第一外科(消化管外科(1)、胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科等)
  ・第二外科(消化管外科(2)、肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科等)
  ・心臓血管外科
  ・小児外科
地域医療
(必修)
1ヶ月  研修テーマにより、市中協力施設、介護老人施設、診療所等で研修します。
選択科 計10ヶ月(原則1診療科1~2ヶ月)  本院では、次の26診療科から選択し、研修します。
  ・総合診療科
  ・第一内科(血液・腫瘍・心血管内科、免疫・膠原病・感染症内科)
  ・第二内科(消化管内科、腎・高血圧・脳血管内科)
  ・第三内科(内分泌代謝・糖尿病内科、肝臓・膵臓・胆道内科)
  ・心療内科
  ・脳神経内科
  ・循環器内科
  ・呼吸器科
  ・産科婦人科
  ・小児科
  ・第一外科(消化管外科(1)、胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科等)
  ・第二外科(消化管外科(2)、肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科等)
  ・整形外科
  ・脳神経外科
  ・心臓血管外科(連続する2ヶ月間以上)
  ・小児外科
  ・皮膚科
  ・泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科
  ・精神科神経科
  ・眼科
  ・耳鼻咽喉・頭頸部外科
  ・放射線科(連続する2ヶ月間以上)
  ・麻酔科蘇生科
  ・救命救急センター
  ・病理診断科(連続する2ヶ月間以上)
  ・形成外科
 研修協力病院では、当該病院内での診療科を選択し、研修します。


2.プログラムについて
○九大病院-協力病院プログラム

 1年目は九大病院で研修を行い、2年目は協力病院(市中病院)で研修します。 

年次 1年次 
研修
内容
内科6ヶ月
(九大病院)
救急3ヶ月
(九大病院)
必修3ヶ月
(九大病院)

 

年次 2年次
研修
内容
必修1ヶ月
(協力病院)
選択10ヶ月
(協力病院)
地域医療
1ヶ月

○協力病院-九大病院プログラム

 1年目は協力病院(市中病院)で、プライマリ・ケア等の経験が積めます。
 2年目は九大病院で研修しますので、入局先を見据えることができます。
 

年次 1年次
研修
内容
内科6ヶ月
(協力病院)
必修6ヶ月
(協力病院)

 

年次 2年次
研修
内容
必修1ヶ月
(九大病院)
選択10ヶ月
(九大病院)
地域医療
1ヶ月


○九大病院総合プログラム

 2年間、九大病院で腰を据えた研修ができます。

年次 1年次 
研修
内容
内科6ヶ月
(九大病院)
救急3ヶ月
(九大病院)
必修3ヶ月
(九大病院)

 

年次 2年次
研修
内容
必修1ヶ月
(九大病院)
選択10ヶ月
(九大病院)
地域医療
1ヶ月
※ 1年次の救急は、希望により1ヶ月を、協力病院で研修することができます。
 
○九大病院産婦人科・小児科・小児外科プログラム
 産婦人科・周産期・小児医療分野を志望する初期研修医に対し、重点的に研修ができるプログラムです。3科のうち、将来志望する専攻科を、希望にあわせ、主として研修できます。
また、志望する専攻科以外にも、3科の研修を行うことで、将来必要な知識を習得することが可能です。2年次の選択期間(5ヶ月)では、上記26診療科から研修科を選択できます。
 
年次 1年次 
研修
内容
内科6ヶ月
(九大病院)
救急3ヶ月
(九大病院)
精神科1ヶ月
(九大病院)
小児科2ヶ月
(九大病院)

 

年次 2年次
研修
内容
小児外科2ヶ月
(九大病院)
産婦人科2ヶ月
(九大病院)
指定選択2ヶ月
産/小/小外
(九大病院)
選択5ヶ月
(九大病院)
地域医療
1ヶ月
※ 1年次の救急は、希望により1ヶ月を、協力病院で研修することができます。