九州大学病院

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初期研修医の方へ

  • 2010.08.11

研修医が単独にて行って良い処置・処方の基準

 

九州大学病院における研修医が単独にて行って良い処置・処方の基準  
 

                           卒後臨床研修委員会作成

                   病院運営会議了承(平成17年3月16日)

   病院運営会議了承(平成22年9月15日改定)

 
 九州大学病院における診療行為のうち,研修医が指導医の同席なしに単独で行って良い処置と処方内容の基準を示す.実際の運用に当たっては個々の研修医の技量はもとより,各診療科・診療部門における実情を踏まえて検討する必要がある.各々の手技については,例え研修医が単独にて行ってよいと一般的に考えられるものであっても,施行が困難な場合は無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる必要がある.尚,下記に示す基準は通常の診療における基準であって緊急時はこの限りではない.
 
 
Ⅰ. 診察
研修医が単独で行ってよいこと
A.全身の視診,打診,触診
B.簡単な器具(聴診器・血圧計・打腱器)を用いた全身の診察
C.直腸診
女性の場合は可能な限り看護師または上級医あるいは指導医の同席の元に行う。
D.耳鏡・鼻鏡・検眼鏡
   診察に際しては,組織を損傷しないように十分に注意する必要がある.
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.内診
 
 
Ⅱ. 検査
1.生理学的検査
研修医が単独で行ってよいこと
A.心電図
B.特殊な機器を用いない,聴力,平衡,味覚,嗅覚,知覚
C.視野,視力
D.眼球に直接触れる検査
   眼球を損傷しないように注意する必要がある.
E.呼吸機能(肺活量)
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.脳波
.筋電図,神経伝達速度
 
2.内視鏡検査など
研修医が単独で行ってよいこと
A.喉頭ファイバー
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.直腸鏡
B.肛門鏡
C.食道鏡
D.胃内視鏡
E.大腸内視鏡
F.気管支鏡
G.膀胱鏡、尿管鏡、腎盂鏡
H.喉頭鏡
 
3.画像検査生理学的検査
研修医が単独で行ってよいこと
A.超音波
  内容によっては誤診につながる恐れがあるため,検査結果の解釈・判断は上級医あるいは指導医と協議する必要ある.
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.単純X線撮影
B.CT
C.MRI
D.血管造影
E.核医学検査
F.消化管造影
G.気管支造影
H.脊髄造影
 I.尿路造影
 J.瘻孔造影
 *その他:造影検査
4.血管穿刺と採血
研修医が単独で行ってよいこと
A.末梢静脈穿刺と静脈ライン留置
  血管穿刺の際に神経を損傷した事例もあるので,確実に血管を穿刺する必要があり、穿刺が困難な場合は無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる.
  B.動脈穿刺
    肘窩部では上腕動脈は正中神経に伴走しており,神経損傷には十分に注意する.
    動脈ラインの留置は,研修医単独で行ってはならない.
    困難な場合は無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる.
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.中心静脈穿刺(鎖骨上,鎖骨下,内頚,大腿)
B.動脈ライン留置
C.小児の採血
  特に上級医あるいは指導医の許可を得た場合はこの限りではない.
  年長の小児はこの限りではない.
D.小児の動脈穿刺
  年長の小児はこの限りではない.
 
4.穿刺
研修医が単独で行ってよいこと
A.皮下の嚢胞
B.皮下の膿瘍
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.深部の嚢胞
B.深部の膿瘍
C.胸腔
D.腹腔
E.膀胱
F.硬膜外穿刺
G.くも膜下穿刺
H.針生検
I.関節
J. 骨髄穿刺、骨髄生検
 
5.産婦人科
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.膣内容採取
B.コルポスコピー
C.子宮内操作
 
6.その他
研修医が単独で行ってよいこと
A.アレルギー検査(貼付)
B.長谷川式認知症テスト
C.MMSE
D.上級医あるいは指導医の許可を得た自己記入式心理テスト
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.発達テストの解釈
B.知能テストの解釈
C.心理テストの解釈
Ⅲ. 治療
1.処置
研修医が単独で行ってよいこと
A.皮膚消毒,包帯交換
B.創傷処置
C.外用薬貼付・塗布
D.気道内吸引,ネブライザー
E.導尿
  前立腺肥大などのためにカテーテルの挿入が困難なときは無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる.
  女性の導尿は可能な限り看護師または上級医あるいは指導医の同席の元に行う。
  小児では,研修医が単独では行ってはならない.
F.浣腸
  新生児や未熟児では,研修医が単独では行ってはならない.
  潰瘍性大腸炎や老人,その他,困難な場合は無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる.
G.胃管挿入(経管栄養目的以外のもの)
  胃管の位置をX線で確認する.
  新生児や未熟児では,研修医が単独で行ってはならない.
  困難な場合は無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる.
H.気管カニューレ交換
  研修医が単独で行ってよいのは特に習熟している場合である.
  技量にわずかでも不安がある場合は,上級医あるいは指導医の同席が必要である.
  I.気道確保
   気管挿管は研修医単独でやってはいけいない.
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.ギプス巻き
B.ギプスカット
C.胃管挿入(経管栄養目的のもの)
   反射が低下している患者や意識のない患者では,胃管の位置をX線などで確認する.
 
2.注射
研修医が単独で行ってよいこと
A.皮内
B.皮下
C.筋肉
D.末梢静脈
E.輸血
   輸血によりアレルギー歴が疑われる場合には無理をせずに上級医あるいは指導医に任せる.
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.中心静脈(穿刺を伴う場合)
B.動脈(穿刺を伴う場合)
   目的が採血ではなく,薬剤注入の場合は,研修医が単独で動脈穿刺をしてはならない.
C.関節内
    髄腔内(髄注)
3.麻酔
研修医が単独で行ってよいこと
A.局所浸潤麻酔
   局所麻酔薬のアレルギーの既往を問診し,説明・同意書を作成する.
 
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.脊髄くも膜下麻酔
B.硬膜外麻酔
C.全身麻酔
 
 
4.外科的処置
研修医が単独で行ってよいこと
A.抜糸
B.ドレーン抜去
   時期,方法については指導医と協議する.
C.皮下の止血
D.皮下の膿瘍切開・排膿
E.皮膚の縫合
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.深部の止血
  応急処置を行うのは差し支えない.
B.深部の膿瘍切開・排膿
C.深部の縫合
 
 
5.処方
研修医が単独で行ってよいこと
A.一般の内服薬
   処方箋の作成の前に,処方内容(薬品名、投与量、投与方法など)を上級医あるいは指導医と協議する.
B.注射処方(一般)
   処方箋の作成の前に,処方内容(薬品名、投与量、投与方法など)を上級医あるいは指導医と協議する.
C.理学療法
   処方箋の作成の前に,処方内容を上級医あるいは指導医と協議する.
 
 
研修医が単独で行ってはいけないこと(主治医がすべきこと)
A.内服薬(向精神薬)
 ※特に下記、第一種向精神薬

物質名

薬理作用

商品名

塩酸メチルフェニデート

中枢興奮

コンサータ錠18mg27mg

モダフィニル

中枢興奮

モディオダール錠100mg

B.内服薬(麻薬)
 法律により,麻薬施用者免許を受けている医師以外は麻薬を処方してはいけない.
C.内服薬(抗悪性腫瘍剤)
E.注射薬(麻薬)
 法律により,麻薬施用者免許を受けている医師以外は麻薬を処方してはいけない.
F.注射薬(抗悪性腫瘍剤、インスリン製剤)
G.麻酔薬・筋弛緩薬
   ※これらの薬剤を研修医が処方できるのは,主治医や指導医の同席の場合のみと ります.この際,「承認」の時刻は研修医による登録と同時刻となります.

  上記薬剤の処方を研修医が単独で登録し,主治医や指導医が後追いで承認することは禁止されています.

 
Ⅳ. その他
研修医が単独で行ってよいこと
A.インスリン自己注射指導
  インスリンの種類,投与量,投与時刻はあらかじめ上級医あるいは指導医のチェックを受ける.
B.血糖値自己測定指導
 
研修医が単独で行ってはいけないこと
A.病状説明
  正式な場での病状説明は研修医単独で行ってはならないが,ベッドサイドでの病状に対する簡単な質問に答えるのは研修医が単独で行って差し支えない.
B.病理解剖
C.病理診断報告
D.診断書・証明書作成
E.警察署・検察庁からの病状照会への回答
F.生命保険会社等からの病状照会への回答
 

 

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